安倍政権は国民を機械扱いするのか

 ホワイトカラー・エグゼンプションは、マスコミから残業代ゼロ法案という的確な名称をつけられたこともあって、通常国会への提出は見送られた。しかし、政府・与党は参院選後に改めて国会に提出することを考えているといわれる。それならば、参院選で導入の是非について問わなければいけないが、安倍首相から聞こえてくるのは憲法改正ばかりで、その気配はなく、残業代ゼロ法案参院選後まで隠そうとしているようだ。

 柳沢厚労相産む機械発言が問題化するなか、また新たに「工場労働者は時間だけが売り物」という発言をした。野党議員から「男は働く機械だとでも言うのか」と言われても仕方がない。

 柳沢厚労相の問題発言は単なる失言ではなく、安倍政権の復古主義的な思想が表に表れたとみるべきだろう。男は働く機械、女は産む機械、そして国民はお国のために尽くすべしという、戦前の国家主義的な思想である。

 戦前に戻ることに賛成する国民は少ないと私も思う。しかし、残業代ゼロ法案は米国でも行われていて、米国の意向でもある。実施するときには、国民の高所得者や公務員への嫉妬、妬みといったものを利用して、国民をうまく懐柔しながら、段階的に対象者を拡大するのだろう。

 残業代ゼロ法案は、財界と米国の意向により政府・与党が労働法を形骸化させてきた近年の流れの中で、とどめの一撃ともいえるものだ。米国でもやっているのだからと、民主党の一部の議員(旧自由党)も賛成するかもしれないが、サラリーマンはいい加減に目を覚まさないと取り返しのつかないことになる。

参考ブログ等

残業代ゼロ法案問題点と今後は(東京新聞)

「工場労働者は時間だけが売り物」柳沢厚労相さらなる仰天発言!(情報流通促進計画 by ヤメ記者弁護士)