自公で3分の2の議席確保ー平和国家の放棄へ

 前の記事(「小泉構造改革新自由主義とは何か」)は選挙終了後にアップしたものだが、書いたのはまだ結果が出ていない選挙中だったので、選挙結果を予想して書いたため、結果とズレがあった。「小泉自民党の圧勝」というのは自公で3分の2を取ることでは決してなかったのである。

 11日、NHKラジオを聞いていると、20時を過ぎた時点で突然、「自民党、300議席を超えることがほぼ確実な情勢」とアナウンサーが言っているのを聞いて、大げさではなく本当に、戦慄して体が凍り付いた。ああ、憲法改正が現実化するな、もしかすると、新しい軍国主義が始まるかもしれないな、と。

 憲法改正は両院議員の3分の2以上なので、次の参議院選挙で3分の2以上の議席を確保する必要があるのだが、長年実現することがなかった衆議院で3分の2以上の議席が実現したのは、憲法改正にとって非常に大きな前進と言える。

 福祉国家の放棄を意味する新自由主義の諸政策が行われることはほぼ確実だが、それだけでなく、平和国家の放棄を意味する憲法改正が行われる可能性も非常に高くなってしまった。郵政民営化賛成だけで自民党に投票した人は、新自由主義ばかりでなく憲法改正まで望んだことになりそうだ。郵政民営化はなんとコストの高い選択肢だったのだろう。